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「いらっしゃい!何本にする?」


「あ、二本ください」




いつの間にか順番が回ってきて


私と蒼空さんの分を買った。




(美味しそう~早く食べたい!!!)




キラキラと光るいちご飴。



その光沢感がとても美味しそうに見える。



甘いもの好きの蒼空さんなら
コレを見れば目を輝かせて食べてそうだ。




(蒼空さんどこかな~)




そこにいてって言ったから、
その場所から動いてないと思うんだけど。



キョロキョロと見渡す。




「あっ、いたいた!!……って、また…」




見つけたけれど


なにやら女の人に絡まれている蒼空さん。



一瞬にして遊園地の時のことを思い出した。




(ナンパ……だよね?)




困ったような表情を浮かべているから、
またナンパされているんだと思った。




(どうしよう、)




この前はどうしたっけ?



どうやって、追っ払ったんだっけ?



思い返せば、蒼空さんからキスされたことが脳裏に蘇った。




(いやいやいやいや、できないよ…!!)




人前でチューだなんて…



もう一度蒼空さん見れば、
笑っているけれど困っているような気がして




(…えぇいっ!!突撃じゃぁあ!!!)




どうにでもなれっっ!!!



いちご飴を持って蒼空さんの元へと駆け寄った。

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