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「月姫さん、コレ……」
「え、今日もくれるの!?」
湊くんから渡されたのは、昨日よりも量が多いパン達。
「昨日もいっぱい貰ったのに……いいの?」
「月姫さんがいてくれてだいぶ助かっているので…嫌じゃなければ受け取って欲しいです」
「全然嫌じゃないよ…!寧ろ嬉しすぎる!!」
貰ったパンたちがキラキラと輝いて見えるのは私だけじゃないはず。
「あ。そういえば今日、昨日のポーチの落とし主が取りに来たよ!
その人、パン美味しかったってわざわざ伝えてくれたの。
なんだかそれ聞いて私も嬉しくなっちゃって。
もっと色んな人に美味しいって言わせたいな~」
この辺りに住む人みんなに食べて欲しい。
ティッシュ配りの要領でここのパンを配ってあげたい。
それくらい、私自身もここのパンを推してる。
こんなにいっぱい貰ったパンも気づけば全部食べちゃってるし、
滅多に美味しいなんて言わない蒼空さんでも、ここのパンを食べたあと美味しいって言ってたし。
ふと昨日のことを思い出せば、今日一日我慢していたニヤケが今になって顔に出る。
今回はソレに気づけたから、
「(ダメダメ…)」と両手で頬を押さえた。