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依頼最終日。



朝から夕方まで講義がある私は、終わってからパン屋の手伝いに行く事になっている。



あのチラシでは今日で半額セールは終了だけど…



今大丈夫なのかな?



湊くんも学校でいないだろうし…



昼間は浅川さんと奥さんの2人だけで売り場とカフェスペースを回してるんだよね。



昨日まで忙しかったから、なんだか心配だ。




「あーーやっとお昼食べれるー!」




午前の講義を終えた私と千恵は大学内にある休憩スペースに向かっていた。




「私いっぱいパン持ってきたんだけど、食べる?」


「え!もちろん食べる!!!」




目をキラキラと輝かせている千恵は、私と一緒でパン好きだから嬉しいのだろう。




「早く行かないと席取られちゃうね」


「ほんとだ!急ごう!!」




今の場所からそこまで少し距離がある。



この時間になると誰もがお昼ご飯を食べる時間だから、あっという間に席は埋まってしまうのだ。



パタパタと走っていれば、




「あっ!!!!」




なんて千恵が叫ぶから、何かあったんだと思って私も立ち止まる。

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