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「お前、いい加減にしろ」
そう言って、その人は私達にグイグイとくるチャラ男さんの腕を引っ張った。
「えー? だってさ~
あの人気者の彼女ってどんな奴か気になるじゃん?」
だから絡んできたのか……
確かに、蒼空さんの彼女になると、こーゆー事があると思って身構えてはいた。
こう、女の人達に裏に呼ばれて殴られるとかさ……
けど今までそんな事は一切なくて、今回が初めてだ。
………しかも男の人に。
「困ってんだろ。」
「なになに、怒んなよ~優。」
優(ユウ)
チャラ男さんがそう呼ぶから、きっとそれがこの人の名前みたいで。
聞いたことないな……
てことはやっぱり会ったことないよね?
見覚えがあると思っていたけれど、それは勘違いだったみたい。
「ごめん、邪魔して」
「あ…いえ………」
優さんは私達に会釈すると、チャラ男さんの腕を引っ張って連れて行く。
「桜井の彼女バイバーイ」
「…………………」
手を振られて苦笑いをすれば
もう1人の男に「めっちゃ苦笑いされてんじゃん」っと笑われていた。