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「てめぇ…いい加減にしろよ」

「…すみません」




けれど今回は蒼空さんがしっかりと腕を掴んでくれた。




「危なっかしーんだよお前って」




自分でもまたビショビショになるのかと思ってハラハラしたがホッと安心。




「だから事務所にいろって言ったのに」

「さすがに今日は手伝おうと思って…」

「それがいい迷惑だってさっき言わなかった?」




邪魔だと遠回しに言われているように感じるが、蒼空さんも川の中に足を踏み入れていた。




「まあいい。時間の無駄だ。さっさと見つけて終わらせるぞ」

「よし!頑張ろう蒼空さん!」

「……………」




ジッと顔を見られて自然と背を向ける。


この辺は探したって言ってたし、私は奥の方を探そうかな。流されてたりするかもだし。




「私奥の方見てくるねー」

「ああ」




バシャバシャと一旦川から出て、水の流れる方向に歩いて行く。


下の方に辿り着けば、釣りをする人達がチラホラと見えて




(ここで探し始めたら迷惑だよね…)




しぶしぶともっと下の方を目指して行く。




「あっ!おい!なんかとれたぞ!!」




その途中、小学生らしき男の子達がたくさん集まっていて、そう叫んでいた。




(こんな寒いのに元気だねえ)




とくに気にもしなかった事。




どこまで行こう…、なんて思っていたのに。




「なんだ~コレ?……指輪?」

「っ!!?」




その一言で私はすぐさまその子達の元に駆け寄った。




「ちょっとそれ見せて!!!」

「わっ!!」




グイッとその小さい手に持つそれを目元に近寄せて、内側を確認する。




「………これだ」




”ichika”




少し泥で汚れているものの、はっきりとそう書かれていた。




(見つけた!!!!)

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