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「これ、おねーさんが貰っていいかな!?」




なんという奇跡なんだろう…この子達が天使に見えて仕方が無い!!




ギュッとその手を握り締めてキラキラと輝くこの子達を見つめる。




…だが。




「え、やだよ」

「………え?」




天使ではなく悪魔の間違えだった。




「だって僕らが取った物だもん」

「えっ、あ、これおねーさんの物なの!探してたんだ~助かったよ~」




ダラダラと冷や汗がこぼれ落ちる。やばい、ちゃんと返して貰わないと…!




「おねーさんの物?」

「そうそう!私の!」

「えー?……ん~、じゃあ何かと交換ならいいよ!」

「ほんと!?オッケーオッケー!」




小学生の考える事だ。オモチャとか駄菓子とかそんな物だろう。




(余裕だな)




フッと口角が上がってしまったが、すぐさま元に戻す。




「えーと、駄菓子とかでいいかな?」




今日はじめての営業スマイルで微笑むが、




「違うよ~なあ?」

「じゃあ…オモチャとか?」

「それもちがーう」




結構欲張りな子達だな…




「えっと…何かな?」




財布の中そんなに入ってないというのに…



すると男の子は周りの子達を見渡し合図らしき事をすると、




「おねーさんのおっぱい触らせて!!」

「…………え?」

「触らせてくれたらコレあげる!」




目の前にはあの指輪。




「おっ…、え?」




(まてまてまてまて)




この子達、本気で言ってんの?私の聞き間違いとかではなくて?




「……胸触りたいの?」

「うん!おっぱい!!」




手をいやらしく動かせる子供達。そんな子達の瞳はキラキラと輝いていた。




(えー………)




最近の子供達って………




ふと教育について考え直した方がいいんじゃないかと思った。

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