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「いや、でもそれは…」
さすがに無理がある。
まずこんな小さい子達に触らしていいのか。
「あ、でもやめとこーぜ。この人全然おっきくなさそう」
「んなっ!?」
なんてハレンチな奴…っ!!!
(確かに大きくないけど!!)
「ほんとだーじゃあもういいや」
その言葉に指輪をポケットにしまう男の子。
「まって!ほら!触っていいからそれは返し……」
無我夢中になって私はブラウスのボタンを外しだしてしまったときだった。
「っ…あ、蒼空さん…」
その手を止めるように掴む、蒼空さんの姿が目に映る。
「おい、お前ら」
そして私をその背中の後ろに避難させて、その子達の元へと近寄る。
「な、なんだよ…」
「お前らコレを知ってるよな?」
少し怯える子達に何やらシールらしき物を見せると、その子達は一瞬にしてキラキラと目を輝かせて、
「しょーがないなぁ~交換してあげる!!」
「えぇっ!!?」
蒼空さんは意図も簡単に指輪を手に入れてしまった。
バタバタと嬉しそうにシールを持って走り去って行った子達をポカンと見つめる。
「………なに渡したの?」
「最近子供に大人気の妖怪シール」
「なんでそんなの持ってんの」
「そんなのどーでもいいだろ。…てかお前ガキにそんなぺったんこな胸見せよーとすんなチビ」
「ぺっ…!?ちゃんとありますー!!!」
「興味ねーからさっさとボタン留めろ。汚らしい」
「ぐっ…」
ほっんと腹立つ!!!
なんて思いながらもブラウスのボタンを留める私。
「ほらモタモタせず急げ。依頼者に報告するぞ」
「あ、待って今行く!!」
蒼空さんの片手にはあの指輪。
やっと…見つかった。