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「は、なさん……」
話を聞く限り、私達が知らない事を知っているらしい華さん。
泣いているから、助けに行こうとした。
けれど蒼空さんに腕を掴まれて、阻止される。
「………華には、幸せになってほしいんだよ」
少し、弱々しい声だった。
優さんはポツリと呟くようにそう言った。
「な、にそれ………
意味わかんない…!!
だからって、他の人につらい思いさせていいと思ってんの!?
その人たちは一生嫌な気持ちを抱えたまま生きていかなくちゃいけないんだよ…!?
優に襲われたって事を…これからもずっと…!
そんなこと…私が喜ぶと思う!?」
「……っ…………」
「優の考えてること、今も昔もよくわかんないよ……
別れてからずっと私の後をつけてくるし、ただのストーカーだと思っていたのに……
今は幸せになってほしいなんて、ストーカーらしくない事を言う…
………優は一体何がしたいの?」
シーンっと廊下に静けさが戻る。
私と蒼空さんはただ見ていることしか出来なくて
俯く優さんは何かを考えているようだった。