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「どういう……事だよ……」





頭が混乱しているらしい優さんは、頭を抱えて驚きを隠せないほどに動揺しているらしい。




全てを知った私も、ただただその場に立ち尽くすことしかできなくて




(じゃあ…あの時のことも全部、優さんにとったら作戦の一つだったんだ……)




あの時、優さんが言っていた事は全て嘘?



仕返しが理由で私を襲ったということ。


それも嘘だった。



優さんの目的は、私を襲って、蒼空さんと別れさせること。



別れたら、蒼空さんと華さんをくっつけようとした。




(………勝手すぎる)




優さんの勝手な妄想に、なんで巻き込まれなくちゃいけないんだ。



なんでこんな気持ちにならなくちゃいけないんだ。



その妄想のせいで、何人が苦しい思いをしてると思ってー…




グッと手に力がこもる。




……殴ってやりたい。


けど、殴ったところでスッキリする?



目の前で頭を抱える優さんをジッと見つめた。



とても苦しそうに顔を歪めているところを見ると、殴りたい気持ちがなぜか鎮まってしまう。




1つの勘違いから生まれたソレ。


幸せになってほしいから。




(そう思うのは悪いことじゃない…)




その人のことが好きだから、大好きだから。


その人の幸せを願ってしまう。



………けれど、優さんはその気持ちが重すぎた。



考えれば考えるほど、違う方向へといってしまった。



その人が本当にソレを願っているのか。



優さんには考える余裕すらもなかったんだろう。

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