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華さんと優さん
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華さんと優さん
大学の入学式の日。
その日は入学式という日に似合わない天候で、ザーザーと大粒の雨が降っていた。
(晴れって言ってたじゃん……)
朝の天気予報では、晴れだって言ってた。
そう言ってたから傘なんて持ってきていない。
大学に向かう途中、駅を出て呆然と立ち尽くした。
家を出た時は降ってなかったのに…
スーツを着て大学へと足を運ぶ人たちは、みんな傘を持ってきていたし
誰かに声をかけて入れてもらおうかと思った。
(できれば女の子を……)
キョロキョロと周りを見渡すけれど
入学初日なのに、すでに友達がいる人達ばかりで
さすがにその輪の中に割り込む勇気がない私は、誰か1人でいる人はいないかと探す。
時間も時間だし、
式に間に合わないんじゃないかと思った。
焦った私は、とりあえず"誰か"に声をかけようとして
「すみませんっ、」
1人で歩いている人を見つけて声をかけた。
さっきまで、できれば女の子がいいと思っていた私。
焦っていたからか、
声をかけてしまったのは女の人ではなく男の人で
「ん?」っと首を傾げるその人。
そう、これが私と優の初めての出会いだった。
大学で、初めて友達になる人、でもある。