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それから気絶するように眠っていたのか


目を覚ますと、ベッドの上だった。




見慣れない景色にパチクリと目を閉じたり開けたりを繰り返した。




(どこだろここ…)




ゆっくりと身体を起き上がらせる。



ギシッとベッドの軋む音が鳴る。



その音に気づいたのか、「起きた~?」とたぶん先生だろう、白衣を着た女の人がいた。




「あ…はい。」

「良かった。あなた凄い熱だったのよ?まだ体調悪いなら無理しないでね。」

「いえ…もう、大丈夫です。」




凄い熱だったのか。



その人に言われて知った。



確かに熱いと思ってたけど、朝測った時なかったから…




「そう?でももう一回測ってみて。はい、コレ」




渡されたのは、体温計で

言われた通りに測ってみる。




ピピっと音が鳴って、見れば37.3°の文字。




「ちょっとあるわね~、今日はもう家に帰りなさい」

「……はい、そうします」




帰る準備をして、

白衣のその人に頭を下げてこの場所を出た。



友達に帰る事を伝えようと携帯を開ければ、

その友達から何件ものメッセージが届いていて




その中の1人




優からもメッセージが届いていた。




『帰る時、連絡して。』




ただそれだけ。

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