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グランプリを取った日から

私の周りには男の人が増えた。



意味もなく寄ってくる人達には、逃げるようにしてうまくかわし、相手にしないようにした。




けれど、自然と男友達も増えるわけで




「なあ、今度みんなでカラオケ行こうぜ」

「あり!行こー!」

「華も行くよね!」

「うん、行こうかな~」

「よっしゃ!じゃあ来週のこの日に行こう!!」




あっという間に遊びに行く日が決まって

男3人、女4人のメンバーで行くことになった。



この前のこともあるし

優には一応言っておいた方がいいと思って。




今日、

ちょうど優の家で会う約束をしていたから

その時に遊びに行く事を伝えた。



女の子もいるんだし、きっと大丈夫だと思ってた。




「……行くって言ったの?」

「うん、…ダメだった?」




けれど、この前みたいに冷たい目をする優に


一瞬背筋がゾクっとしたのを覚えてる。




「女の子もいるよ?」

「……………………」

「しかもみんな友達だから…」




「なあ、」




今までに聞いた事のない、低い声。




「俺以外の男と喋んなって言ったら、華はどーする?」

「そ、れは……」

「俺はできるよ。華がそう言うなら、華以外の女と喋らないことなんて。」

「っ、」




それほど、私が他の男の人と喋られるのが嫌なんだと分かった。



一言で例えると、"束縛"だと思う。


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