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その日からだろうか
優に会うのが怖くなったのは。
大学で優の姿を見つけると、
背を向けて気づいていないフリをした。
目が合うとまた冷たい目で見られる気がして…
「駅前のカラオケに決定な!」
気づけば、約束の日になっていた。
みんな楽しそうにしているのに
私はなんだか乗り気になれなかった。
もし、この集まりに行ったとしたら
また優にあんな事をされるんじゃないかって。
優は「行っていいよ」と言ってくれた。
けれど
本当にその言葉に通り行ってしまったら、もっと優を怒らせてしまうんじゃないかって。
「………ごめん、今日私行けない…」
本当は、行きたかった。
みんなと一緒に楽しみたかった。
……だけど、
脳裏に浮かぶのは優の顔。
身体中につけられた痕。
思い出すと、ゾクっと背筋が凍る。
友達には急用ができたと嘘をついた。
嘘にも関わらず、友達は私がいけないと知って悲しんでくれた。
「また行こうな」と言ってくれた。
その言葉に、コクリと頷いたけれど
優と付き合っている限りは行けないだろうと、心のどこかでそう思ってた。