request
_________________
華さんの過去の話は
想像していたよりも、重たい内容で
全部聞き終わると自然と心が浮かない気持ちになった。
………ただ、
はじめの頃の優は本当に優しい人だった、と。
華さんは何度もそう言っていた。
少しして
蒼空さんが帰ってきたかと思えば
その後ろに優さんの姿もあったから、私と華さんは顔を合わせた。
蒼空さんが連れてきた?
この状況からだと、きっとそうだと思う。
「言いたいこと、あるんだろ」
気まづそうに顔を俯かせる優さんの背中を少し強めに押した蒼空さん。
その反動で、優さんが私たちの元へと一歩近づいた。
少し近い距離にいるものの
なぜか身体は強ばらなくて
それがなぜかはすぐに分かる。
……優さんから怒りのオーラを感じないから。
「本当に、ごめん……」
優さんの目線が私へと向けられると
申し訳なさそうな表情を見せた。