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「……だけど、それは恋愛としてじゃない。友達として、今の優が好き……」
その瞬間、私を抱きしめる力が緩くなる。
「…………、…うん。」
「優も、きっと、そうだよ。
私の事は恋愛として好きじゃない。
好きなら、私を蒼空とくっつけようなんて、思わないはずだもん…」
その途端
スッ、と私から離れた優。
その顔は、優しく微笑んでくれているものの
どこかツラそうにも見えた。
「………俺は、華の事が好きだよ。それは、恋愛として、今も。」
「……っ………」
「だけど、付き合いたいとは思ってない。…華をこれ以上苦しませたくないから。」
ゆっくりと伸びてきた手が、私の涙を優しく拭うと
「俺は、華の幸せを祈るよ。友達として、いつまでも」
優しい目で
「幸せになってね。」
ニコリと笑った。
「っ……、うんっ、優も…」
そんな彼に
「幸せになって」
私も笑顔を見せたー。