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心音さんと陽葵さんは依頼の件で事務所にいない。
私達が来た時からいなかった。
机の上に置かれたままのお客様用のコップがあったから、私達がいない間にお客様が来ていたのだろう。
渋々、イスに座る私。
心はまだ落ち着いていない。
「………気にならないの?」
ポツリ、と呟くようにそう言えば
蒼空さんから視線を感じた。
「気にならない。」
「なんで?」
「大丈夫だと分かってるから」
「優さんの事…信用してるの?」
その言葉に、蒼空さんは眉根を寄せた。
「してるわけねーだろ」
「じゃあ、なんでそんなに余裕そうなのよ…」
質問責めをする私に呆れたのか
はぁー…と深い溜め息をついた蒼空さん。
「ちゃんと、反省していたから。今のアイツには華を襲う勇気もねーよ」
そう言われれば、確かにそうだと思ってしまった。
「華さん…泣いてないかな」
「泣いてるだろうな」
「えっ!? ぎゃっ」
立ち上がったその瞬間、すぐに蒼空さんによって無理矢理座らされる。
「大人しくしてろって言ってんだろ」
「だ、だって…泣いてるって言うから…」
「ハンカチでも持って行く気か?」
「それもあるけど……」
泣いてる時って
誰かがそばにいてあげた方がいい気がして。