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「ただいま帰りましたよ」





そして、陽葵さんが後から帰ってくると


少し静かだった空間が賑やかになって、





「座ってて下さい!今温かい飲み物作ります!」


「あらありがとう~!」


「じゃあ、お言葉に甘えて」




私は寒い中外にいた2人に温かい飲み物を用意する。




……ついでに、蒼空さんの分も。





「なに見てるの?」





心音さんと陽葵さんに飲み物を渡してから


ソファーに座る蒼空さんの元へと来た。





「…………………」


「まだ照れてるんだ?」


「照れてねーわ…」


「ウソ、だって耳赤いし~」





少し小さめの声で会話をする。



心音さん達は依頼の事で話が盛り上がっているから、たぶん聞こえていないと思うけど。





「見られてなかったよ?」





強がる蒼空さんが可愛いくて


ついついいじめたくなった。





「………………」


「見られる前に離れた、しっ!?」





だけど




調子に乗ったのが大間違いで








「お前そろそろ黙れ」


「っーーーー!」







近くに心音さん達がいるというのに




触れるだけの軽いキスをしてしまった。





もちろん、今回は私からじゃない。


目の前にいる不機嫌な彼からだ。

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