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蒼空さんが言うその場所は、私たちのいるこの地元から遠い場所。





「会いに行こうと思えば…会いに行けるもんね…!」





だけど


すぐに会えなくなるのは寂しい……







その瞬間





「でも、」





自然と俯いていた顔を

蒼空さんの大きな手が私の頬を包んで

上へと向かせられる。





「そばにいて欲しいなら、引っ越さない」


「っ…、え…?」


「お前がそう言うなら、俺はここに残るよ」





私が強がっている事を、

蒼空さんは気づいてた。





「っ……、そんなの……どうやって…」


「何かしら方法はある」





………そんな事言われたら、甘えたいに決まってる。




ずっとそばにいてほしい


ここに残ってほしい


違う場所に行っちゃうのは嫌だー…





「…………っ」





そんな想いにブレーキをかける。




もしそれを言ったとしたら


絶対その通りにしてくれる。



今のこの距離感がそのまま続いていくのだから、幸せなことじゃないか。







…………本当に?




ここから何時間かかるかわからないところへ、ほぼ毎日通勤するんだよ?



それって結構、いや、だいぶツラいものだと思う。



プライベートや睡眠時間を削らなければいけない。


いつかは身体も壊してしまうだろう。





………それって、本当に幸せ?


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