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「酷い顔………」
朝起きて
鏡に映る自分にそう告げた。
(今日仕事がなくて良かった…)
こんな顔じゃ、心配されるだけ。
………昨日
家まで送ってくれたのに、泣いているのがバレたくなくて急ぐようにして家の中へと入ってしまった。
「ありがとっ、おやすみ!」だけを告げて。
1人になると、余計に寂しさが増すのを知っているくせに……
(とりあえず目を冷やさなきゃ……)
水で濡らした冷やしタオルを目元に当てる。
目を閉じると、昨日のことを思い出して
「っ……」
悲しくなりつつも
(……蒼空さんに会いたい)
その気持ちが募る。
(蒼空さんが引っ越してしまうまでに、いっぱい思い出作りたいなぁ…)
くよくよしてる暇があるんだったら
その分、蒼空さんとの思い出を増やしていきたい。
まずは……バレンタインだ。