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「俺は事務所帰るけど、お前はどうする?」
蒼空さんは、彼女の後ろ姿を眺める私に、そう言った。
「私は……ここで待ってようかな。」
なんだか…心配だから。
蒼空さんのそばにいたいって気持ちもあるけれど
今は、それよりも、陽菜さんが心配だった。
「ん。その方がいいな」
私がそう言うのを分かっていたかのように
ポンッ、と軽く私の頭を叩くと
「あとは任せた。」
優しく微笑む彼は、ヒラリと手を上げて、行ってしまった。
ああ、ほんと。
蒼空さんの笑顔が好きすぎる。
滅多に見れないその顔を目に焼き付けておこうと思って、ずっと蒼空さんを見つめてた。
任されたという使命感と、笑顔が見れて嬉しい気持ち。
寂しい、と思う気持ちは
今じゃどこかにいってしまった。
(陽菜さん…大丈夫かな)
気になる……
見に行きたいという気持ちになるも
盗み見はダメだと思って、首を左右に振る。
途端
「月姫さん…?」
「へっ!?」
名前を呼ばれて振り向くと
なぜか
この場に湊くんがいる。