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「月姫は、もちろん桜井さんに渡すでしょ?」
「うん。渡すよ」
「桜井さんって確か甘いの苦手なんだよね?てことは、ポテトチップスとかそーゆー系?」
「えっ?」
「ん?」
「何かおかしなこと言った?」という千恵。
うん、だいぶおかしなこと言ったよ?
「蒼空さん、甘い物大好きだよ?」
「えっ?」
「超がつくほどの甘い物好き」
「え、ちょっと待って。」
話が食い違っていて
お互いに訳がわからない状況。
「じゃあ、桜井さんが嘘でもついてるってこと?」
「まあ…そうなんじゃない?」
なんでそんな嘘をつくのかは分からないけど。
そんなの、バレンタインの日に不利じゃん。
甘い物がたくさん手に入る日だというのに、そんな嘘ついちゃってさ。
「おっはよー、って、まさかそれ俺に!?」
「気づくのはやっ」
教室に入って来たばかりなのに
小林は机の上に置いてある紙袋に気がついて、私達の元へとやってきた。
「ほら、チョコチョコうるさいからコレでもあげる」
「うぇええー!!!すげー高そうなチョコじゃん!まじかぁあ!ありがとう千恵!!」
「(中身板チョコ3枚なのに)」
紙袋ですんなり騙されてしまった小林はとても嬉しそうで
そんな小林を見ている千恵も、口角を上げて怪しい笑みを浮かべてた。