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「チョコ断ってきたヤツにはあげませ~ん。
…って、おいっ!
あげないって言ってんだろ!」
「いいじゃん食べさせてあげなよ~ 断る方も結構苦しい思いしてるんだからさっ」
「ぐぬぬっ……」
さっきまで華さんにあった目線が、一瞬にして蒼空さんの方へと向く。
蒼空さんが来てくれたことによって
あの話は途中で終わった。
もうそんな話忘れてしまったかのように
みんなが蒼空さんに話しかけていて
「はぁー…良かったぁ…」
分かりやすく
安心感を見せた華さんと目を合わせた。
「バレるところだった」
そして、苦笑い。
「あの子、勘が鋭いから」
「そうみたいですね…」
千恵と同じで、勘が鋭いみたいだ。
「あのね、月姫ちゃん」
自然と2人っきりになったこの場で
華さんはお菓子を見つめながら、
私に声をかけた。
「私、卒業式の時に告白します。」
「っ、」
その言葉と共に、視線が私へと向く。
「気持ちはもう知られているけれど、ちゃんと伝えたい。2人っきりで、伝えたいの。………いい?」
その言葉の意味はきっと
2人っきりになってもいいか
ってことを、聞いているんだと思う。
"私の事を好きになってもらえるような、そんな事をしちゃうかもしれない。"
少し前に、華さんがそう言っていたことを思い出した。
"もしかしたら"
が、あるかもしれない。
………だけど、
「……私は、蒼空さんのことも、華さんのことも、信用しています。だから、大丈夫です。」
迷いはなかった。
言葉通り、信用しているから。
きっと、そんな事、起こらないと。