request








想像以上の勢いに驚いたのか、
「おっ、と…」なんて声を漏らした蒼空さん。







「勢いつけすぎ」







そう言う彼だけど、


その手はしっかりと私を抱き止めてくれて


クスリと笑いながらも、ポンポンと軽く背中を叩かれる。








だって、この場所が好きなんだもん。


さっきのよりも、断然に、こっちが好き。





温かくて、心地よくて、私の好きな香りがするから。







「ねえ、蒼空さん」







なんだか







「もっと……キス、して?」







頭がふわふわする。







こんな事を言ってしまうのは


この空気感に酔っているからなのかも。





「………………」




コツン



蒼空さんに額を合わされると







「どーなってもいいわけ?」







口角を上げてそう言う彼に



頭がふわふわとする中、


この甘い空気に溶け込んで


私はコクリと頷いた。





この時



恥ずかしいという気持ちなんてなくて


ただ身体が熱くって






「んんっ……ふ、」





はじめからとろけるようなキスをされては、熱かった身体がもっと熱を帯びた。


< 481 / 660 >

この作品をシェア

pagetop