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想像以上の勢いに驚いたのか、
「おっ、と…」なんて声を漏らした蒼空さん。
「勢いつけすぎ」
そう言う彼だけど、
その手はしっかりと私を抱き止めてくれて
クスリと笑いながらも、ポンポンと軽く背中を叩かれる。
だって、この場所が好きなんだもん。
さっきのよりも、断然に、こっちが好き。
温かくて、心地よくて、私の好きな香りがするから。
「ねえ、蒼空さん」
なんだか
「もっと……キス、して?」
頭がふわふわする。
こんな事を言ってしまうのは
この空気感に酔っているからなのかも。
「………………」
コツン
蒼空さんに額を合わされると
「どーなってもいいわけ?」
口角を上げてそう言う彼に
頭がふわふわとする中、
この甘い空気に溶け込んで
私はコクリと頷いた。
この時
恥ずかしいという気持ちなんてなくて
ただ身体が熱くって
「んんっ……ふ、」
はじめからとろけるようなキスをされては、熱かった身体がもっと熱を帯びた。