request






腰に回された腕によって逃げ場なんてないし、


逃げる気なんてさらさらないけれど



自然と身体が動いちゃって





「そ、らさ……っ、」




もっと 



って。




甘い匂いに

甘い空気感に

甘い味に




"飽きる"という概念はない。






蒼空さんの首に腕を回して


私から吸い付くようにキスをした。





「っ、」





私、こんな事、出来るんだ。


自分でも驚いた。蒼空さんもきっと驚いてる。



うっすらと目を開ければ、目の前に少し動揺している彼が映ったから。





はぁ…



っと、いつも余裕そうな顔をする彼の呼吸が荒れていて、私ももちろん荒れている。





お互い息が荒れているにも関わらず


キスを止めようとはしなくて





「っ、お前っ……」





止めたのは意外にも蒼空さんで。



腰にあった手が、

今じゃ私の肩を掴んで引き離した。

< 482 / 660 >

この作品をシェア

pagetop