request
腰に回された腕によって逃げ場なんてないし、
逃げる気なんてさらさらないけれど
自然と身体が動いちゃって
「そ、らさ……っ、」
もっと
って。
甘い匂いに
甘い空気感に
甘い味に
"飽きる"という概念はない。
蒼空さんの首に腕を回して
私から吸い付くようにキスをした。
「っ、」
私、こんな事、出来るんだ。
自分でも驚いた。蒼空さんもきっと驚いてる。
うっすらと目を開ければ、目の前に少し動揺している彼が映ったから。
はぁ…
っと、いつも余裕そうな顔をする彼の呼吸が荒れていて、私ももちろん荒れている。
お互い息が荒れているにも関わらず
キスを止めようとはしなくて
「っ、お前っ……」
止めたのは意外にも蒼空さんで。
腰にあった手が、
今じゃ私の肩を掴んで引き離した。