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チュッチュッと何度もキスをすれば





「んぎゃっ」




やっぱり蒼空さんの男の力には敵うわけがなく





「いい加減にしろっ……」




顔面を鷲掴みされた。


そのまま押されると、押し倒されていた蒼空さんはゆっくりと身体を起こして




「……酒弱すぎ」


「イ、タッ…」




今までのものよりも、
強めのデコピンをされた。


ジンジンと額が痛い。


そのおかげでちょっとだけ意識が戻った気がする。





「………微量でこの酔い方はやばいな」




心配そうに私を見るその目。




心配なんて、されたくないのに。


私は蒼空さんにそんな顔をさせたくないの。




けれど、未だに頭はふわふわ。



そんな私は
ツン、と蒼空さんの服を軽く引っ張る。





「離れたくないよ……」





それは酔っているからなのか


それとも本心なのか。




今の私にはそれすら分からなくて




ただただ





「離れるのは、寂しいっ……」





そんな事ばかりを言ってしまう。

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