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「………ガトーショコラ、全部食べたの?」
ふと、テーブルの上に目線がいく。
そこにガトーショコラがないから
全部食べ切ったんだと思った。
「いや、あっちに置いてるけど」
「あっ、ほんとだ」
指をさす方へ視線を移せば、残り少なくなったガトーショコラがまだ置いてあって
なんであんなところに…と疑問に思えば
「………何も覚えてないのか」
「へ?」
溜め息混じりの声でそう言われた。
「だいぶ酔ってたよ、お前」
酔ってた…?
確かにあの時はあの空気感に酔っていたけど…
けれど記憶がないということから
きっとそれに酔っていたとかではなくて
「………もしかして、」
すぐに、勘づいてしまった。
「ラム酒か……」
「大当たり」
こういう時だけ冴えてるのやめてほしい。