request







「ワンコロです!」




シンプルだけどなんだか可愛いその名前。



・ワンコロちゃん



と、紙に書き加えた。




依頼内容と特徴も聞けたその時




「川に……ですか?」




後ろの机から話し声が聞こえる。



どうやらさっきの依頼者が
いつの間にか案内されていたらしい。




(川……?)




なんだろう


すごく嫌な予感、するよね。



チラリと軽く蒼空さんの顔を見れば




(ああ、すごく嫌そう……)




川で指輪を探した時の事を思い出した。




あの時の蒼空さんも、こんな寒いのに川に入るとかありえないだろ…って

ちょっと引き気味だったもんね……




まだまだ寒い気候。

寒がりの蒼空さんにとっては、川に入る事なんて地獄のようなもの。




「捜索をしていただけるのでしょうか……」




望月さんに話しかけられてハッとした。




いけない、いけない…


私が今担当しているのは、望月さんだ。




「はい!もちろんです!

ここは『何でも屋』ですから!
頼まれた依頼は出来る事なら何でもします!」




そう言えば


望月さんは安心したように微笑んで




「よろしくお願いします…!!」




目を輝かせていた。

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