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「飼い犬の捜索、ですか」


「はいっ!特徴は小柄で首元にハートの模様があるみたいです。
写真を一枚預かっているので、それをコピーして貼り紙を何枚か作ろうと思います!」




望月さんが帰ったあと、私はその依頼書と共に陽葵さんに相談する。




「そうですね。それは良い案だと思います。それと一緒にチラシを作って周辺の方々に配りましょうか」


「はいっ!!」




元気良く返事をすれば




「じゃあ、チラシのデザインは月姫さんにお願いしますね。」




はい。と、渡された物。


それは陽葵さん専用のパソコンで




「作るの得意でしょう?」


いつものようにニコニコと微笑む。




そう。陽葵さんの言う通り、そういうお仕事が大得意の私。



私がこの職場に就いてから間もない時だったかな?




初めて依頼を持ったときのその依頼内容は、看板のデザインを一緒に考えて欲しいという内容だった。



決められた内容を想像しながらそのデザインを考えるのが好きで、どんどん案が浮かんで、依頼者もすごく喜んでくれたんだ。




「もちろんですっ!!」




私は笑顔でパソコンを受け取った。




ウキウキやワクワク

心が躍る。




(時間をかけない方がいいよね。少しでも早く周りの人に知ってもらった方がいいと思うし…)




少しでも早く、そのチラシを沢山の人の目についてほしい。



なら、


速攻で、雑でもなく
正確に、分かりやすく


一目見て分かるような




(…………よしっ、)




すぐに浮かんだそのデザイン。




デザインの事になると集中力が増して、自分でも驚くほど周りの声が聞こえなくなる。

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