request








「行方不明ねえ」


「河川敷でいなくなっちゃったんだって。だからブレスレット探してる時に見かけたら確保してほしいの」


「ふーん、了解。」





特徴がインプット出来たのか、そのチラシを畳むと





「分かりやすく出来てんじゃん」




私の目を見ず、そう言ってくれた彼は、紙をポケットにしまう。




「見つけたら連絡する」


「うん!お願い!」


「んー」




軽く返事を返されると


私の後ろにいる心音さんに目線を当てて





「さっさと着替えてこいや…」




再び短気の蒼空さんへと戻ってしまった。




私が話しかけたとき、眉根を寄せていた彼の顔が一瞬和らいだのは、気のせいかな?



私の顔を見て、心が落ち着いた、とかだったらいいのにな。




勝手な解釈と


蒼空さんが褒めてくれたという嬉しさ。




そんな事で嬉しいと思ってしまう私は、まだまだ子供なのかも。

< 501 / 660 >

この作品をシェア

pagetop