request
「行方不明ねえ」
「河川敷でいなくなっちゃったんだって。だからブレスレット探してる時に見かけたら確保してほしいの」
「ふーん、了解。」
特徴がインプット出来たのか、そのチラシを畳むと
「分かりやすく出来てんじゃん」
私の目を見ず、そう言ってくれた彼は、紙をポケットにしまう。
「見つけたら連絡する」
「うん!お願い!」
「んー」
軽く返事を返されると
私の後ろにいる心音さんに目線を当てて
「さっさと着替えてこいや…」
再び短気の蒼空さんへと戻ってしまった。
私が話しかけたとき、眉根を寄せていた彼の顔が一瞬和らいだのは、気のせいかな?
私の顔を見て、心が落ち着いた、とかだったらいいのにな。
勝手な解釈と
蒼空さんが褒めてくれたという嬉しさ。
そんな事で嬉しいと思ってしまう私は、まだまだ子供なのかも。