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「助かったぁああ!

ありがとう!月姫ちゃん!!」


「(ひぃ…!)」





心音さんに抱きつかれると「お礼にチューしてあげる!」なんて言われてしまい、


身を仰け反らせる私だが







ベシャッ!



濡れた物を叩きつけられているような音が耳元で聞こえると





「ちょっと!冷たいじゃないのよっ!」





どうやら心音さんの顔面をめがけて、濡れたタオルが投げられたみたいで


階段の方から飛んできたソレは、きっと蒼空さんが投げた物。





(た、助かった………)





それにしても、コントロール凄いな…


クリティカルヒットだったもん。





「階段すごく濡れているんですけど…何かあったんですか?」





少しして陽葵さんが帰ってくると、私と同じように濡れた階段に違和感をもったようで





「心音、その姿は……」


「落ちちゃいました♪」





ニコニコと微笑みながら、そう言う心音さん。





「風邪ひきますよ。ちゃんと乾かして。あと、怪我はないですか?」





そんな心音さんに、陽葵さんはとても心配そうに声をかけていた。




(蒼空さんも、大丈夫かな)




風邪引かないといいけど。

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