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その反動で軽く一歩後ろに下がった蒼空さんは、キョトンとした顔を見せて
「……携帯、取りたいんだけど」
「へっ、え、あっ…ごめん!」
私の後ろにある棚に携帯を置いていたみたいで、それを取ろうとしていたらしい。
(びっくりしたぁ……)
心臓止まるかと思った…
急な至近距離にまだ耐性がついていない私は、もちろん鼓動が激しく鳴っている。
「……なんなの、お前」
そんな私の様子に彼は怪訝に思っているみたいで、軽く眉根を寄せていた。
「べ、別に!?ほら!携帯っ!!」
慌てて棚に置いてある携帯を渡せば
「…………………」
首を傾げながらもそれを受け取る蒼空さん。
(あー…ダメだ、やっぱり意識しちゃうよ……)
一瞬だけ触れた蒼空さんの身体。
鍛えてるのかな?
そう思ってしまうほど、腹筋が見えていて
その部分に触れた時、とても硬くて
ああ、男の人だ。
って、分からされるような。
そんな感触に、
(………もっと、触りたい、)
なんて思ってしまう私は
ちょっと、いや、だいぶ変態なのかも。