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壁に身体を預けるようにして立つ蒼空さんは
片方の手はズボンのポケットへ、
もう片方の手は携帯を持っていて
不意に髪をかき上げた姿がとても色っぽくて
「………、…なに?」
いつの間にか、
見惚れてしまってた。
「てか、いつまでここにいんの」
再び、彼は怪訝そうな表情を見せる。
「ねえ…蒼空さん」
「ん?」
蒼空さんの元へ、近づく。
さっきまで「(見れない…!)」なんて思ってたくせに
私は何かに集中すると
そんな事なんて忘れてしまったかのように
その事に没頭してしまうらしい。
それはデザインを考えているときと同じで、
「触っても…いい?」
私は今、その事しか考えてなくて
「は?」
蒼空さんの声が聞こえるも、
私はそれを無視するかのように
蒼空さんの身体に触れた。