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「あっ!ちょっと!ソラ!!」
蒼空さんの家に着くなり、
暴れ回るようにして家中を走り回るソラの跡を追うも、追いつけず。
「ねぇ、ほっといて、いいの……」
息が上がった私は床に倒れ込むようにして座り、未だに走り回るソラを目で追うようにして眺めた。
「すげー楽しそうに走ってんな」
さっきコンビニで買った物、
ドックフードなどが入った袋をテーブルの上に置き
「ソラ。」
蒼空さんが声をかけると
さっきまで暴れ回っていたソラがトテトテと蒼空さんの足元にやってきて、自身の身体をスリスリと擦り寄せる。
「怪我するから、走り回るのはダメ。分かった?」
「ワンッ!」
「よし、えらいえらい」
ワシャワシャと顔を撫でてあげると、ソラは目を細めて微笑むような顔を見せた。
「なんか…すごく懐かれてるよね?」
「そうみたいだな」
その事に対して蒼空さんは満更でもない顔をする。
……犬界でも異常な程にモテるのかもしれない。
「それにしても、この犬種は脱走癖でもあるわけ?」
「あー…確かに……」
依頼者の犬種もダルメシアンで、今蒼空さんの家にいるこの子もダルメシアン。
この辺りはダルメシアンを飼っている人が多いのかも。
散歩させているところ見たことないけど。
「ソラ、お腹空いた?」
蒼空さんが袋の中からドックフードを取り出すと、ソラは目を輝かせて舌を出し、食べたい!って言っているような顔をする。
「ちょっと待ってな」
お皿にドックフードを入れると、音と匂いでか、ソラはその場でピョンピョンと跳ね始めちゃって
私も同じようにドックフードを見つめていれば
「なに、お前もお腹空いた?」
食うか?なんて、ドックフードを渡してくるから
「だから犬じゃないっての!」
まあ…ドックフードちょっと食べてみたいけど。
ムキになる私を見てクスリと笑う。
「待ってろ、後で何か作るから」
ソラを撫でる時と同じようにクシャリと頭を撫でられると、尻尾を大きく振るソラの前にドックフードが入ったお皿を置く。
勢いよく食べ始めたソラに対して、微笑みながら見ている蒼空さんは本当にワンちゃんが好きみたいだ。