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そんなよくわからない事情で目を閉じていれば






「っ、」





気づけばどこかに降ろされた。




ふわりと柔らかい感触。



……ここって、







(べ、ベッド!!!)




思わず目を大きく見開いた。




えっ、まって、今から!?



いや、したいと、思ってたけど、



心の準備がーーー!!






ギシッとベッドが軋む。





「わわっ、」





その音は、蒼空さんが私に跨るようにして乗ってきたからで。






「そ、らさん…!」


「なに。」


「ソラ、が、いるから…」


「で?」





で? って…!!





「なあ、」





低い声で



耳元で囁かれると





「っ、」





なぜか身構えてしまった私。





緊張と興奮で頭が回らなくなって、






「っーーーーー」



ギュッと目を閉じていれば








「寝てろ。」







「……………え?」



………、…寝てろ?





ギュッと閉じていた目を開けた。




近かった距離にいた蒼空さんが、今じゃ私の隣に座っていて





「疲れてるんだろ。」





わしゃっと私の髪を撫でる。

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