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「んっ………ん?」





身体を揺すられている気がして、ゆっくりと目を開けた。





「月姫、」





目の前には蒼空さんがいて





「ご飯、出来た」





優しく私を起こす。




その瞬間に「(ああ、私寝てたんだ)」ってことに気づく。



どうやら一瞬にして眠りについてしまったらしい。





「あっ…うん、食べる、」


「ん。おいで」





まだ重たい瞼。




身体を起き上がらせて目を軽く擦っていれば、



蒼空さんは私の頭を優しく撫でる。




ポヤンとする脳内。




頭を撫でる手がとても心地よくて、再び眠気を誘う。





「……蒼空さん、」


「ん?」





コテン、と。



隣に座る蒼空さんに身体を預けて





「まだ眠い……」





彼の腕に抱きつき、再び夢の世界へといきかけた。





「………お前、」





そんな私の頬を優しく撫でると





「酔ってる時と寝起きの時だけは、甘え上手だな。」


「んー…?」




ウトウトとする目。



また寝ちゃいそうだ、……と。





「ワンッ!!!」


「ひゃっ…!」





太ももの上に、ズシッと重みを感じた。



そのおかげでハッキリと目が覚めて




「あっ…ソラ……」


「ワンッ!」




ソラが私の上に飛び乗ってきたのだ。

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