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(いつ起きようかな、寝室から出て行こうとした瞬間とか?)



ワクワクと胸が鳴る。

蒼空さんの驚く顔、早く見たい。




そんな私に対して、





「寝てんの?」





顔にかかっている髪を優しく滑らすようにして払い除けた。





(見られてる、気がする……)





ジッと顔を見られている気がして、少し冷や汗が出た。


触れられているということに反応して、ピクリと身体が動いてしまったから。




……起きてるの、バレた?





再びギシッと音が鳴る。




蒼空さんの手が、



私の後頭部へと回ると







「おやすみ。」



その言葉と共に





チュッ、と。



額に優しいキスが落ちた。





軽く頭を撫でられると、至近距離に感じていた気配が無くなる。





「っーーーー!!」


(な、な、なにあれ…!!!)





キュンッと胸が鳴ってしまうのも無理はない。



だって、あんなの、キュンキュンするに決まってる…!





興奮気味に薄らと目を開ければ、



まだ蒼空さんは寝室にいて、ベッドの近くにあるテーブルで何かをしていた。



タイピング音が聞こえるからパソコンを触ってるんだと思う。

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