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「おはよ」





旅行の日当日。



少しだけ寝れたものの、興奮しすぎて3時間も早く起きてしまった私は少し早めに待ち合わせ場所に来た。




だけど、そこにはすでに蒼空さんがいて





「お、おはよ…」





緊張してしまう。





しおり、見るんじゃなかった…




(いや、でも、見ないと仕事にならないよね…)




「ちょっと早いけど、もうホームで待っとくか」


「そ、うだね…!」





まだ朝なのに頭の中は露天風呂の事でいっぱいだった。













「えっと、はじめは……」





ホームに着いて、やっとしおりの中をちゃんと見る。



もちろん露天風呂の文字が見えるけれど、今は見ないようにしよう。





「水族館だって!しかもここシャチいる所だ!!」


「なに、お前シャチ好きなの?」





意外。とでも言いたげな目で私を見る彼。





「昔家族でシャチのショー見た時から大好きなの!!あのカッコ良さがたまんない!


だから絶対見ようねっ!」





隣に座る蒼空さんを見れば、





「ん。見ような」





優しい目をして微笑む彼に息がつまる。





シャチよりも蒼空さんの方が100倍カッコいいです。



なんて…絶対言わないけど。


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