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「さっむーー!!!」




長靴と長袖長ジャージを着込んで寒さ対策万全な私と蒼空さん。




少し温めな気温の時を狙って川に来てみたものの、




長靴を履いているにも関わらず、川に入った瞬間指先が痺れるくらいの冷たさを感じた。




「マジでやるのかよ…」




寒さに弱い蒼空さんは、ポケットに手を突っ込んだままその場から動こうとしない。




「ほら!早く見つけて帰るよ!!」

「お前1人でやれよ…」

「い!い!か!ら!早く!!」




なかなか動こうとしない為、強引に蒼空さんの腕を引っ張って川の中へと連れて行く。




いやいやながらも川に一歩踏み出した蒼空さんは、一瞬にして顔を歪めた。




「くっそ冷てぇ!!本当にあるのかよこの中に!!」

「そう言ってたじゃない!川に落としたって言われたんだからそこを探すしかないでしょ!?」

「チッ、なんで俺がこんな事に…。てか、アイツはどこだ」




不機嫌な蒼空さんが周りを見渡す。




「ああ、心音さんなら今着替え中だからもう少しで来るんじゃない?」

「アイツ着替えるのに何時間かけるつもりだ」

「迷ってるんでしょ。どの服にしようか」




毎回そうだ。心音さんはどんな時だって服装には気を抜かない。




この前なんて自販機の下に落ちたお金を拾って欲しい、とかいう依頼だけでも、キャバ嬢かって思うぐらいのキラキラした服装でやってきた。

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