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雑念を追っ払って
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雑念を追っ払って
「ひぇ……」
TOEICの結果が届き、自然と声が漏れた。
「月姫どうだった~?」
「ひぇえ…」
「え、なに」
震える手で千恵に結果用紙を手渡せば
「おお、上がってるじゃん」
「あんなに勉強してこれだけ…」
前回よりも上がったが、
それはほんの少しだけ。
なんだかもう……やる気が無くなってしまうくらい。
「千恵は…?」
「私はね~」
嬉しそうに口角が上がっているのだから
「だいぶ上がった」
「ひぇえ…」
だと思いましたよ…
見せてもらえば前回よりも跳ね上がるほどに上がっているスコア。
目指している点数まであと少しと言ったところ。
「特別何かしたわけじゃないけどね。コツコツ勉強したら上がってた」
「ひょお…」
「ヒィヒィばっか言ってないで、少しだとしても上がったことに変わりないんだから、勉強した結果はちゃんと出てるよ」
「ひぃ…」
「ダメだ、聞いてない」
この現実が受け入れられない。
(もっと勉強しなくちゃ…)
最近する事が多すぎて頭がパンクしそうだ。
TOEICの勉強に、授業のレポート。
グラフィックデザイナーのことももちろん、TOEIC以外にも取りたい資格は山ほどある。
あれもこれも……まだ達成出来ていない。