request
「会えてない間……気になる人とかできてないよね…?」
「できてない」
「告白はされた…?」
「…………まあ、うん。」
「揺らいだりしなかったよね…?」
蒼空さんの頬に手を伸ばす。
触れたその部分は少し熱くって。
「今ここにいるのが、その証拠だろ?」
軽く息を吐いた蒼空さんは、私の手が離れないようにと、手を添えた。
「例えその人がどれだけ良い人だったとしても、俺はもうお前にしか惹かれねーよ。
可愛いと思うのも
会いたくなるのも
好きだと思う気持ちも
俺は月姫にしか湧かない。
指輪を渡したいと思ったのもお前が初めてで、嫉妬するのもお前が初めて。
それぐらい、俺は月姫の事が好きだよ。
これから先もずっとその気持ちは変わらない。
だから──────」
止まらない涙を拭って