request
「今まで以上に幸せにするから」
「………っ」
「これからの人生、俺と一緒に歩んでほしい。」
「うっ…ううっ……」
「ハハッ、泣きすぎ。……拭いきれねーよ」
言いたくても言えなくて
私の気持ちが伝わるようにと何度も頷いた。
ボヤける視界では眉尻を下げてとても優しい笑みを浮かべる彼。
「あら?蒼空そこでなにしてー…って、月姫ちゃん!?もう帰ってきたの!?」
「おかえりなさい、月姫さん」
泣きじゃくる私の前に、今度は心音さんと陽葵さんが大量の荷物とともに帰ってきた。
「俺も驚いたわ。忘れ物取りに来たら事務所からコイツ出てきたし」
「すみません……僕、渡すタイミング間違えたかもしれないです…」
そして、私にあの依頼書を渡してくれた湊くんもこの場所へと帰ってきた。