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「あらあら、それは仕方がないわね~
ほら月姫ちゃん、袴汚れちゃうから立って」



「はいっ……」






心音さんに手を引っ張られて、立ち上がる。






「今日はね、事務所でお祝いパーティーをするの!月姫ちゃんの卒業祝いと、それから───」






にこやかに笑って







「結婚祝いっ」



「…………っ」



「おい。今それ禁句」



「え?わっ!あらあらあらー…また泣いちゃった」






ダメだ、今はもう結婚というワードに弱い。







「すみません…僕がタイミングを間違えたばかりに…」



「何言ってんの!湊ちゃんはちゃんと役割を全うしたんだからしょぼくれない!」



「うわぁああん!」



「ああもうこっちは大泣き…!ごめんねぇ月姫ちゃん!結婚するって聞いて私舞い上がっちゃって……あっ!ごめんなさい!また言っちゃった!!」



「ケーキもー上にあんの?早く食いたいんだけど」



「アンタって人は……さっきプロポーズしてたくせに、今じゃ甘い物しか頭にないんだから……。」



「ユーヤ~!!ひっさしぶり~!!亜美、ユーヤに早く会いたかったからもう来ちゃったよ~……って、月姫なんで泣いてるの?」



「賑やかですね~」







ワイワイと騒がしい陽葵何でも屋。








だけど



この騒がしさが



逆に心地良いんだ。


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