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「月姫」






スっと私に向かって伸びてきた手。







「おいで」







優しく微笑む彼にそう言われては、






その手のひらに




依頼書を持つ手とは逆の手を添えて








「…うんっ!」








蒼空さんと共に


手を握りあって


1歩、前へと踏み出した。








「新婚旅行いつ行く!?」



「明日」



「あし、…え?」



「もー予約済み。」



「えっ!?」



「なに。嫌?」



「そ、そんなんわけ…!!」



(だから1週間空けとけって言ってたのか…!)


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