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「蒼空、あなたも遠慮せずに行ってきなさい。」




陽葵さんの声で蒼空さんと心音さんの動きが止まる。




「……ですが………」


「その間、僕が様子を見ておくので大丈夫ですよ」


「………………ん、わかりました…」


「たまには息抜きするのも大事です」


「…………ありがとうございます」




…なんの話をしているんだろう?


心音さんはうんうんっと納得している様子で


理解できていないのは私だけのようだ。


なんだろう…気になる。




「じゃぁー、決定ね!


あら、でも陽葵さんが行けないとなるとあと1枚余っちゃうわねぇ」


「もー3人でいいんじゃねーの」


「それはダメよ!せっかく頂いたんだからしっかり全部使わせてもらわなきゃ!!」


「3人とも、共通する知り合いはいないんですか?」




陽葵さんのその言葉に私達は「うーん……」っと考える。


共通する知り合いかぁ……




「「あ、」」




何故かハモってしまった私と蒼空さん。


多分この人も同じ顔が頭に浮かんでいると思う。


チラリと心音さんを見れば




「え、ちょっと待って。嫌な予感がするわ………」




明らかに顔に「嫌よ。絶対」と書いてある。


仕方がないです心音さん。


共通するといえば、もうあの人しかいないんです。


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