request




「じゃあ私達も……あ!まずあれ付けなきゃ!」


「…っ!おい!引っ張るな!!」




蒼空さんの腕を掴んで目的の場所に向かう。


引っ張るなとか言いながらしっかりついてきてくれる辺り、今日はなんだか優しい。
 



「うわぁ…!いっぱい種類あるーー!!!」




もちろん着いた先はグッズ販売店で、
お求めはカチューシャ。




「あ、これもいい!やだ!これも可愛い!!迷うーーーー」


「どれも形一緒じゃねーか」


「形は一緒だけどデザインは違うじゃん!!」


「ふぅーん」




興味なさそうに渋々私に付き合ってカチューシャを見ている蒼空さん。


そんな蒼空さんを置いて私は鏡の前で試着。




「今日の服装に合うのはやっぱりこれかなぁ」 




黒色のデザインと白色のデザインの物と迷っていれば




「わっ」




突如、まだ付けてないのに頭に違和感。


鏡に映るそれを見れば、私が手元に持っているカチューシャとは全く違う物で、




「お前はコレが似合うんじゃね?」


「っ…………」





真ん中にティアラが付いている、ちょっと豪華なカチューシャだった。


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