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「ドッと疲れたわ………。あ、ドリンクありがとな」
「いや……ちょ、………え?」
机の上に置いたドリンクを何も言ってないのに迷うことなくホイップが沢山乗ったやつを選んで飲み始めた蒼空さんに、頭がついていかない。
あれは…現実?
私の妄想だったのか?
なんてさっきの出来事を思い出すと、カッと身体が熱くなる。
「っーーー!!!ちょっと!!なにしてくれてんの!!!」
「何って、なに?」
てゆーかお前これちょっと舐めただろ。
って、ホイップが少し欠けている事に気づいたのか、それについて聞いてくる蒼空さん。
「そ、そんなことどーでもいいわぁ!!!それより!何ささっきの!!!ちゅ、チューとか…」
「あ?…あー、あいつらうっとーしくて」
「し、知り合いじゃないの?」
「んなわけねーだろ!!
こっちは疲れてるってゆーのにグイグイ来やがって……」
チッ、と舌打ちをするとまたゴクゴクと甘いジュースを飲む。
ナンパされていたのか………
確かに、あの困り果てた表情はどこからどーみても知り合いに会ったときの顔じゃなかったもんなぁ…
「って、なに納得してんの私!だからってなんでチューすんのよ!!」
「端っこにしただけだろ?そうギャーギャー騒ぐな。あいつら追っ払うのにそれが一番手っ取り早いと思ったんだよ」
ちょうど端に生クリーム付いてたしな。って、
あの時こっそり食べるんじゃなかった……
「……けど、助かったわ。」
ポンポンっと頭を叩かれる。
ただそれだけなのに
さっきの出来事があったからなのか、触れられている事に身体が異常に反応して熱くなる。
「………貸し1だからね」
「あー分かった分かった」
絶対あれ相応の事をお願いしてやるんだから。