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-***-




「えーっと…………ごめんなさい、優也さん…」




近くにベンチがあったから
そこまで連れてきたんだけど




「ほんと…酷いわ2人とも……
私がどんな思いでこの時間まで耐え抜いたか…」




スンスンっと泣き始めたから、ハンカチを手渡すと「ありがとう…月姫ちゃんは優しいね……」っと受け取ってくれた。




「それにしては、ずいぶん楽しんでたように見えるけどな」


「た、確かに…………」




蒼空さんの言う通り、


優也さんの頭にはカチューシャ。


首元にはポップコーンバケット。


手にはここのキャラクターであるぬいぐるみ。




「………ち、違うのっ!!!!これは亜美さんが勝手に…!」


「亜美はユーヤが欲しいって言うから付き合ってあげたんだよ?」


「……い!いつの間に!!!!!」




突如現れた亜美さんに肩が跳ねた優也さん。




「蒼空が探しに来てくれた~」


「あ、あ、あんた!!!!何してくれてんのよ!!!」


「何って……高校生を1人にするのはあぶねーだろうが」


「ぐぬぅう…………」




言い返せない…そう顔に書いてある。



蒼空さんは優也さんを引き剥がしたあと、私に「あいつ探してくるわ」っとだけ声をかけて、探しに行っていた。


帰ってきたのはついさっき。


人多いのに良く見つけたなぁなんて感心する。

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