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「ユーヤァ~なんで置いてっちゃうの~?」


「きゅ、休憩させてクダサイ………」


「えぇ~、乗りたいのいっぱいあるのに~」




「行こうよ~」って優也さんの腕を引っ張る亜美さん。


さすがに可哀想に思えてきた…




「まあでも、時間的にあと一つだな。

心音、ラストだけ付き合ってやれ」


「ほら!蒼空もあー言ってる!行こ!」


「ぅわっ!ちょっ!蒼空ぁああー!!あんた今日呑み手伝いなさいよぉおおお」




蒼空さんの言葉で亜美さんの顔に笑顔が戻ると、優也さんを連れてメリーゴーランドの方に向かって走り出す。




「またはぐれたら面倒だし俺たちも行くぞ」


「あ、うん…」




優也さん…大丈夫かな…


なんて思っていたけど、




「……なんか、凄く楽しんでるね?」


「…めっちゃ笑ってんな」




亜美さんと優也さんが乗るメリーゴーランドを見ていれば、さっきの出来事なんかなかったかのように、2人とも笑顔で楽しそうにはしゃいでいた。




「なんかカップルみたい…」




美形カップルとはこの事を言うんだろうな。



気づけば暗くなってきたこの時間帯、


周りが点灯し始め、昼間とは全く違った風景へと変わる。

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