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「そーいえば、亜美のお兄ちゃんに告白されたってほんと~?」


「あ、あー…そんなこともあったな…」




すっかり忘れてた……


脳内では昨日のことばかりで。




「お兄ちゃんが言ってたの~

あのイケメンに邪魔されたーって家でずっと叫んでてうるさかった~」




「たぶん蒼空でしょ~?」って首を傾げる亜美ちゃん。



"蒼空"



名前を聞いただけで、身体がビクッと反応する。




「…ん?どーしたの~?」


「あ…、な、なんでもないよ!」




ほんと~?って不思議そうな顔。




「亜美もお兄ちゃんに気持ち悪いって言っといたから、たぶんもー大丈夫だよぉ~」



あれは気持ち悪いよね~
亜美もめっちゃひいた~



そう喋る亜美ちゃんに、無理矢理笑顔を作る。




「よし、もー大丈夫だよ。」


「ありがと~お姉ちゃん」




お姉ちゃん……なんだか照れるその響き。




「あんまりはしゃいじゃダメだよ?
まだ寝てる人いっぱいいるからね」


「はぁ~い!…って、月姫は行かないの?」


「っ!わ、私はまだ眠いからもう一回寝ようかな……」




「分かった~」そう言って部屋を出て行った亜美ちゃん。


名前を聞いただけでドキドキしてしまう私。


こんな状態で本人に会ったら私どーなるんだろう…




「ふぁあ……あ、寝れそう……」




急に眠気がきて、さっきまでいたベッドの中に入る。



まだ時間あるしちょっと寝よう……



そのままゆっくりと目を閉じた。

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