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「月姫、聞いてる?」
「……え、あ、ごめん!な、なに?」
亜美ちゃんの声にやっと我に返った私。
あの後、急いで準備をして心音さんと亜美ちゃんと合流した私達は昨日行った遊園地の周辺を観光しにきていた。
周辺にはその遊園地にあったお菓子やグッズなども売っていて、ここでお土産を買って帰る人が多いらしい。
(ダメダメ、今日で旅行終わっちゃうのにボーッとしてちゃ…)
「なんか、元気ないね?」
「……そ、そんなことないよ!元気元気!!」
「………………」
あ、怪しまれてる………
ジーッと私の顔をガン見する亜美ちゃんに冷や汗が出る。
「ユーヤァ、なんか月姫元気ない~」
「あら、どーしたの?ちょっと疲れちゃった?」
「だ、大丈夫です!!どれにしようか迷っちゃって…!」
「私もよぉ~全部買っちゃおうかしら」
心音さんのカゴの中にはパンパンに詰められたお菓子やグッズ。
…と、一着のお姫様ドレス。
「わぁ…素敵なドレスですね!」
「でしょぉ~?ちょうど私にピッタリなサイズがあったのよぉ~」
みてみて!っとそのドレスを身体に当ててクルリと一回転した心音さんに、私は「似合ってます~!」っと拍手する。
「えー、亜美それきらーい。王子様の服にしてよ~」
「嫌よ、王子の服なんて。お金の無駄遣いだわ。てゆーかあんたの意見なんて聞いてないのよ、シッシッ」
「ユーヤひど~い」と、亜美さんは唇を尖らせる。
私は良いと思ったんだけどなぁ。